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人の体の外側から、病原菌などの異物が侵入してくると、体はこの異物を退治しようとするために「抗体」と呼ばれるものをつくり出します。この抗体の役割とは、もう一度、外側から異物が侵入してきたときに、それを攻撃するのです。この一連の流れのように、抗体が異物から人の体を守る働きを「免疫」と呼びます。
しかし、抗体が異物に対して強力かつ過敏に反応してしまうと、吐き気やめまいが生じたり、湿疹が出てきたりするなどの、逆に体の健康に悪影響を及ぼす場合があります。このように異物に対して抗体が必要以上に反応して体に異常を与えることを「アレルギー」と呼びます。このアレルギーなのですが、近年で急激に増加しているのです。
アレルギーになる原因には、体質が関係しているといわれています。そこでアレルギー体質を持つ人を平成15年に世代別で調べたところ、60歳代の方では3割程度、40歳代になると実に7割近くにもなり、20歳代ではさらに上回る8割近くにもなっていました。
サバやカニなどの食品が原因で起きる食物アレルギー、金属、埃、花粉やダニなど、アレルギーが発生する原因は多く存在します。そのため、アレルギーになりやすい若い世代にとっては、アレルギーが起こりやすい社会環境といっても良いでしょう。
このアレルギー体質が増加した原因には環境変化によるところが高い割合を占めており、そして、化学物質の利用が増加したことが最大の要因といわれています。
現在、風邪、頭痛や腹痛などの軽い症状でも、病院に行ってみてもらうと簡単に薬を処方してもらえます。こういった薬には、抗生物質と呼ばれる、人の免疫に変わって異物を攻撃する化学物質が含まれています。しかし、この抗生物質が活発に使用されるようになった時期と、アレルギーの可能性を持つ人の割合が増加しはじめた時期とが重なるのです。そのため、抗生物質とアレルギーの間にはなにかしらの関係があるのではないといわれています。
また、最近では、化学物質に対して通常以上のアレルギー反応を示す人が増加しています。これは、ちょっとした量の化学物質でも、吸引したり、口に入れたり、触れたりするだけでも、アレルギー症状が見られるもので、これを「化学物質過敏症」と呼んでいます。 アメリカやカナダでは、10人に1人という高い割合で化学物質過敏症であるといわれていますが、将来、国内においても同様な割合になるのではないかといわれています。
スギによる花粉症は、昔は日本では見られませんでした。しかし、現在では、花粉症で苦しんでいる人々が増加しています。しかも、大きな都市ほど花粉症の人が多いのです。こういった傾向が見られるのはなぜでしょうか?
現在、林業の関係者が減少し、スギ林が荒れてしまい、その結果スギ花粉が増加しているのは事実です。しかし、それ以上にアレルギー体質の人が増加していることが、最大の原因であるといわれています。大きな都市で花粉症が目立つのは、都市で生活する人ほど、多くの種類の化学物質に触れる機会が多いためだと考えられています。
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